銀座という都市の喧噪のただなかにありながら、BONGEN BEANS STORE GINZA は、時を忘れ、コーヒー豆と向き合うための“静寂の洞窟”としてデザインしました。
ここは、単なる販売空間ではなく、香りや質感、光と影を通して、五感でコーヒーの本質に触れる体験を形づくる場所です。
私たちが目指したのは、視覚的な華美さではなく、素材と空気感がもたらす内省的な豊かさ。外の世界から一歩足を踏み入れた瞬間、光が抑制された静謐な空間に包まれ、そこに眠る豆の存在感が際立ちます。
無駄を削ぎ落とした設えは、選ぶという行為そのものを研ぎ澄まし、訪れる人と豆との対話を導きます。
「盆源(BONGEN)」という名の通り、空間は根源へと回帰することを意図しました。石や木といった自然素材の表情、深く沈む陰影のリズムは、人を本能的な安心感へと誘い、都市にいながらも原初的な体験を呼び覚まします。ここでは、空間が背景に退くのではなく、ひとつの器として存在し、コーヒーという文化を根源から問い直す舞台となります。
BONGEN BEANS STORE GINZA のインテリアは、商品を飾るためのものではなく、来訪者の意識を解きほぐし、香り・音・手触りへと感覚を研ぎ澄ませるためのものです。その先に立ち現れるのは、一杯のコーヒーが持つ物語、そして自ら選び取る歓び。
私たちは、この空間を通じて「感じる場所」としての新しい店舗のあり方を提示します。銀座の中心で、静寂と探求が交わる体験を。ここにしかない時間を、お楽しみください。
「至高のコーヒー」との出会いが生まれる場になるよう願いを込めて。