ここは、痛みを癒す場所であると同時に、身体と暮らしの調和を取り戻すための“再生の場”である。SOMAという名に込めたのは、単なる医療行為を超え、心身のバランスを整えるという思想。訪れる人が、診察室ではなく“自分自身を取り戻す空間”として感じられることを目指した。
白い壁は光をやわらかく反射し、緊張をほどく静けさを演出する。床にはアースカラーの素材を採用し、自然の温もりと落ち着きを足元から感じられるよう設えた。全体のトーンは明るくも柔らかく、どこか“暮らし”の延長線上にあるような親密さを大切にしている。医療空間にありがちな冷たさを排除し、患者が心から安心して過ごせる“ホーム”のような温度を宿す。
待合は「待つ場所」ではなく、「整う場所」としてのデザイン。木の素材感や布の質感、間接照明が織りなす柔らかな光が、身体の緊張を静かに解いていく。香りや音の演出も最小限に抑え、心が自然と落ち着く余白を残した。診療室・施術室はプライバシーを守りつつ、医療の安心感と穏やかな静寂が共存する空間へ。機器類は視界に入りにくいよう配置し、清潔感と安心感を両立した。
受付から退室までの動線は、迷いなく、流れるように。訪れる人の一歩一歩が、心身のバランスを取り戻す体験となるよう意図されている。
SOMA Clinicは、白と大地のやさしさに包まれた場所。
医療を“日常のケア”として受け入れ、からだ・こころ・暮らしを調えるための、新しいウェルネスの原点である。






