銀座二丁目に計画したコーヒースタンド店。銀座にはたくさんの企業があり、ビシッとしたスーツを着たサラリーマンが多く、常に緊張が強いられる場所ではないか。私たちはターゲットを広告代理店に勤める36歳の男性にターゲットを絞り、優しい接客と高品質のコーヒーが飲めるスタンドコーヒー店を計画した。
日本の精神性や美意識を表現した空間は、普段の緊張の中に緩和が生まれるシンプルな空間を目指した。また街に良くあるようなアメリカ風コーヒー店ではなく、新しいジャパニーズスタイルのコーヒー店を目指し、拘りのお茶やおにぎり、みたらし団子などを提供する。
壁面には左官を採用することで、美しく簡素な壁は人と対話を始め、人間の美を表現することができる。壁が呼吸する塗り壁は現代の工業的な建材では出せない色気があり、入り口には聚楽壁、盆栽の壁面にはあえてムラを出した黒い漆喰壁を採用し、時間をも味方にすることができた。
ゴミ箱には行灯としての機能を加えた。本来、ゴミ箱は隠したくなるものだが、店内にほのかにコーヒーの香りが感じられるように、和紙にはコーヒーを混ぜ光を透過した。
また、店舗中心には盆栽を配置することで、「BONGEN」を象徴し、全ての人を魅了するように、空間は極端にまで簡素に計画し、全ては盆栽に集中するように演出した。
この空間は日常でありながら、非日常である。その価値を楽しんでもらえますように。
*BONGENとはBON:盆・GEN:源