誰もが歩いたことのあるトンネル。トンネルに対して皆さんが抱いているイメージは、どの様なものだろうか。私は幼い頃から、暗くジメジメしていて、できれば通りたくないという思いを抱いていた。ネガティブな印象を抱いている人も多いであろうトンネルを、デザインの力で人々にとって、そして地球にとってポジティブかつ有益なものに変えようと考えたのが今回のプロジェクトである。
このプロジェクトの目的は以下の3点にまとめることができる。
①地球環境を配慮した循環型のモデルを作る
②見た目にも美しく、通るのが楽しいトンネルにする
③子供達にとっての環境教育・食育の場となり、地域の繋がりを強化する
①地球環境を配慮した循環型のモデルを作る
私たちは「デザイン」とは、審美性の高いものを作って終わり、とは捉えていない。「デザイン」を通して、その後長い年月をかけてより良い環境を生み出し、人々や地球にとって好影響を及ぼさなければならないと思っている。
今回のトンネルプロジェクトは、トンネルの壁面に植物を育てる構想である。そして、植物に必要不可欠な水は雨水を再利用し、太陽光は、太陽光パネルを使用してLEDライトに変換する仕組みを取り入れる。そうすることで、トンネル一つで完結する循環型のシステムを再現することができる。地球環境や他の生物との共存を考えた時に、この様な「循環型システム」はトンネルに止まるべきではなく、生活のあらゆる側面において、必要なシステムなのではないかと私たちは強く感じている。このプロジェクトは、その様な姿勢を示すという役割も担っている。
②見た目にも美しく、通るのが楽しいトンネルにする
冒頭でも述べた様に、暗くてジメジメしたトンネルは嫌だ、という思いから、このプロジェクトの着想を得た。そして、この思いは多くの人に共通するのではないだろうか。トンネルの中が、緑に溢れ、生命を感じられる空間になれば、子供も大人も明るい気持ちでトンネルを歩くことができる。その様な瞬間が生活の中で一瞬でも増えることは、豊かな生活に繋がるのではないだろうか。それもデザインの力であると私たちは考えている。
③環境教育・食育の場となり、地域の繋がりを強化する
今までの大量生産、大量消費社会から脱出しつつある今日の社会において、率先して地球環境を配慮したモデル、循環型のモデルを示すことは、これからの社会を担う子供達に対する有益な環境教育の一環になると考える。また、ハーブなどの簡単な食用野菜を育てることで、水と太陽という自然の力で育った食物を自分たちの手で収穫し食べるという経験もすることができる。さらに、定期的なメンテナンスを地域の住民で行うことができれば、コミュニティーにおける共通の話題となり、人と人を繋げる場になるということも期待できる。
このプロジェクトは現在構想を練っているところです。もしご賛同頂ける方・ご興味ある方がいらっしゃいましたら、お気軽にこちらよりご連絡ください。