間借りスタイルから初の単独店へ
EQUALLY (イクアリー)

EQUALLY オーナー

友納滉一 & 友納祐希

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kusukusu inc. 代表

鈴木 竜

今回は表参道で有名なクレープ専門店「イクアリー」さんのオーナーであり、友納さんご夫妻にお話をお伺いしました。

 

EQUALLY イクアリー

すでに表参道で人気のクレープ専門店「イクアリー」さん、いよいよ実店舗開業となりました。店名にある「イクアリー」に込められた意味を教えてください。

「イクアリー」という名前には「等しい」という意味が込められています。仕事をしている時間も、休日に大切な人と過ごす時間も同じくらい大切にしたいという想いがあります。どんな過ごし方をしている人でも同じく時間は等しくあって、そんな日々に「イクアリー」にお越し頂いた方々に日常の中にふと「今日はいい日だった」と思ってもらえるように、「イクアリー」にしました。

お店のロゴには四つのラインが描かれており、そのうちの一つが波打っているのは、日々の忙しい時間から解放され、大切な人との時間を表しています。どの時間も等しく価値があるというメッセージを込めています。

オーナーシェフの友納滉一さんは、どのようにしてパティシエの道を歩み始めたのですか?また、パティシエとしてのキャリアで最も影響を受けた経験は何ですか?

パティシエになった経緯は、私(友納滉一)が高校生の時に、進路を決める時。ふと家族を思い返した時におばあちゃんは和菓子の職人であり、お爺ちゃんは木型の職人で、父と兄も建築系の職人さんでありました。
そういう家系で育ったので、私も何かしらの職人になりたいと思いました。シンプルにお菓子が大好きだったこと、おばあちゃんっ子っていうものあって、軽い気持ちでパティシエの道を歩始めました。

そんな中で最も影響を受けたのは最初の職場である、「LE PATISSIER TAKAGI」での経験です。 高木シェフの元で働かせて頂き、非常に厳しい方でしたが、常に優しも感じ、「友納くんは将来どうなりたいの?」といつも気にかけてくださいました。
印象に残っているのは「お菓子屋さんは、幸せ配達人だから、お菓子を作るだけではなく、その先にあるものを作っていかないといけないよ」を教えて頂きました。
そのためには、お菓子作りだけではなく、ホスピタリティの大切も勉強させて頂きました。お客様に対してだけでなく、一緒に働く仲間に対してもとても重要なのだと教えてもらいました。今でも「イクアリー」を運営する基盤になっています。

クレープというメニューに特化した理由を教えてください。

独立を考えた当初、クレープを提供しようと考え、試作にとりかかりました。ただ、普通のクレープよりは、オリジナリティがあった方が楽しいだろうと思い、どんどんのめり込んでいってしまい、今のスタイルが出来上がりました。
そのレンタルスペースも大きくなかったので、クレープに特化したお店することで、イートインスペースも効率化され、今のスタイルができました。

EQUALLY イクアリー

そういう意味ではそのレンタルスペースに出窓がなかったら、今のクレープは生まれなかった可能性もありますね?

そうですね()  本当に出窓がなかったら、焼菓子のみやっていた可能性は高いですね!

使用されている素材にこだわりがあるとのことですが、具体的にどのような素材を選んでいるのですか?

クレープや焼菓子の全てに相模原産の卵を使用しており、バターもフランス産の発酵バターの「パンプリー」、クレープ生地にはバニラを惜しみなく使っております。ここの素材に行き着いた経緯は本当にたくさんの素材を研究しました。
卵の種類が変わると味の主張が強いや色味が強い、バターの良さを消してしまうなど、試行錯誤の連続でした。

今回はどの様にデザイン会社を探しましたか?

最初は別のデザイン会社に依頼する予定でしたが、どうもうまくプロジェクトを進めることができなかった。それは予算感であったり、工期であったり、もちろんプランニングにも悩みはあり、正直かなり行き詰まっていました。
その時に知り合いのシェフに、「どうしたらいいか悩んでいる。。。」とご相談したところ、鎌倉にいいデザイン事務所あるから、相談してみたら? もちろん決めなくていいから、相談だけでもいいじゃない?と言われ、その場でご連絡させて頂きました(笑)

私たちの中では、物件解約した方がいいかな〜とか実現的にムリなのか。。。という状況まで迫っておりました。
そこからクスクスの鈴木さんにお会いさせて頂き、とても気さくな方で、本当に親身に相談に乗って頂きました。その場でたくさんのご提案を頂き、「あれっ!?これ実現できそうだな!!」と思い、そのまま進めていただくことにしました。

EQUALLY イクアリー

弊社を選んで、よかったなぁと思うことが何かあれば教えてください。

難しいプロジェクトだったと思います。笑 ただ、建築以外のところでもたくさん絡んで頂き、細かいところまでご協力して頂き、正直ここまでやってくれるんだ〜 と私たちは本当に感動しておりました。具体的にはおすすめのECサイトを教えて頂けたりひとつのお店を作るまでの流れに沿ったアドバイスもしてくださったのはかなり心強かったです。

店舗の場所を選定する際に重要視したポイントは何ですか?

私たちはもともと表参道で営業しており、既存のお客様が通えないぐらい遠くにはしたくないと思いました。特に豪徳寺は新宿や渋谷からもアクセスしやすい。私が駒沢や等々力で働いていたので、世田谷でやりたいなと考えておりました。
豪徳寺のポイントしては、商店街に活気があり、個人店も多くあり、住宅街もある。そんな場所で勝負したいと思いました。物件は少し大きいのですが、周りの方から大きい箱で勝負すべき!という助言もあって、ここを選びました。

EQUALLY イクアリー

クレープ専門店を開業するに至った最大の挑戦は何でしたか、そしてそれをどのように乗り越えましたか?

2021年に六本木で初めて、その時はパティシエが作るクレープ専門店が少なくて、お客様に認知されるのに時間はかかったと思います。徐々にお客様に口コミから広がっていったと思います。
私たちが乗り越えたというよりかは、お客様に支えられたことの方が大きいです。独立して最初の方はお客様が来なくて、エレベーターの前でずっと待っていたり、一日一組などもありましたし、0組もありました。笑 ただ、あまり悲観的ではなく、本当に美味しいものを作っているし、それが伝えれば、お客様は来て頂けるという、自信はあって、徐々に認知されていったことに感謝しております。

オープン時は間借りということもあって、周りから「間借りでどうやって人呼ぶの?」、「誰がこの値段のクレープ食べるの?」と言われ続けました。でも、自分たちでやると決めて、本当に周りの方々に支えられ、今に至ります。

実際にお店が完成して、お気に入りのポイントはありますか?

いやぁ〜 本当に全部!笑 当初はざっくりしたイメージしかなかったですが、鈴木さんに綺麗にまとめて頂きました!!客席と厨房の距離感、厨房からの眺め、厨房のレイアウトなど、言い出したらたくさんありますが、他の設計の方は厨房のレイアウトまではノータッチの方が多いと思います。ただ、鈴木さんは厨房の動線や機能的な面まで寄り添って頂き、感謝しております。コンクリートと白い壁、差し色で入るブルーは全体的に非常によくまとまっていると思います。

何も用事なくても、お店に来てしまうぐらい気に入ってます!笑

EQUALLY イクアリー

厨房はシェフと設計の両方の思想が入る箇所と思っております。厨房内のオペレーションと客席から見た雰囲気とライブ感を統一することが重要だと考えます。

確かに当初の計画では3列の厨房機器をレイアウトしており、厨房と客席の距離は今よりもずっと狭かったです。
製造を増やしたいという気持ちが大きかったが、圧迫感大きくなり、ゆっくりできるお店はなくなってしまうと思うので、今のレイアウトが気に入っています。

5年後、または10年後のこの「イクアリー」さんをどのようにしていきたいか、将来の展望について教えてください。

将来的には国内、国外問わずもう少し店舗は増やしていきたいと思っておりますが、まずが1号店であるこの豪徳寺のお店でしっかりと地盤作っていきたいです。

最後に、お店を訪れるお客様へ向けてメッセージがあればお聞かせください。

豪徳寺という場所でようやく皆様を迎え入れる店舗ができ、準備万端で皆様をお迎えしたいと思います。 ブランドコンセプトでもある「どんな1日も大切な1日」と感じていただけるような空間を提供することを心がけております。
初めての「イクアリー」の世界感を表現できる場所ができましたので、空間感、世界観をお楽しみ頂けると嬉しいです。

友納滉一さん、祐希さん ご協力ありがとうございました!
私たちも友納さんのお手伝いできたこと、誇りに思います。