オリジナリティー溢れる空間をつくること

BEER SWITCH オーナー

志田康介

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kusukusu inc. 代表

鈴木 竜

宿河原に突如現れたビール専門店!宿河原の住宅街という立地で、大手4社含め10種類の樽生ビールをご提供するビアスィッチ。その裏側に迫ります!弊社は内外装、ロゴ、HPデザイン、ブランディングを担当させて頂きました。今回は志田康介さんです。

どの様にデザイン・施工会社を探しましたか?

マッチングサイトを利用し、過去の事例を参考に5社に絞らせて頂き、実際にお会いしました。クスクスさんの作品に惹かれたというのはもちろんなのですが、初対面の印象がとても良かったです。デザインを一方的に見せてくるのではなく、こちらの思いや考えを親身に聞いてくれました。実は、お願いしかけていた会社さんもあったのですが、「ビビビと来た」と言ったらちょっと古いかもしれませんが(笑)、予定を変更してクスクスさんにお願いさせて頂きました。

志田さんとは店舗の設計だけでなく、店舗ブランディングも綿密に取り組ませて頂きましたがいかがでしたか?

ビアバーを開きたいという漠然とした気持ちは元々持っていたのですが、2ヶ月間(1週間に1回、2時間ほどの定例会議)かけてみっちりとクスクスさんとブランディング会議をさせて頂いた結果、「極上の樽生ビール」というお店のコンセプトに辿り着きました。漠然とした思いを研ぎ澄ませていく作業をクスクスさんに導いて頂き、自分のお店に関わる全ての意思決定の基準となるお店の方針・基礎を固めることができました。このブランディング作業を通して、将来8店舗持ちたいという目標も見えました。自身と向き合うことは辛くもあり、楽しい会議でしたが、ここから見えたことは、明るい未来だったと思います。

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ブランディング作業は現在の店舗経営に活きていると思われますか?

めちゃくちゃ活きています。「極上の樽生ビール」というコンセプトがあると、表現していることがお客様にも伝わりやすいですし、「ビールが美味しい店なんだ」ということがしっかり伝わっていると思います。それから、お店をやっているとお客様に本当に色々なお声を頂きます。「ワインはやらないの?」など…その時に、しっかりとしたコンセプトがないと、ブレてしまってお店の色がどんどんわからなくなっていってしまうと思うんです。でも、しっかりとしたコンセプトがあると、「極上の樽生ビール」を出すにはどうしたら良いか、ということを考える指針になるので、非常に重要だと思います。

大手4社全て取り揃えて、10種類のビールを常時ご提供するという拘りは簡単なことではないと思いますが、そうしようと思った理由や経緯を教えてください。

やはり、大手4社と契約するのは簡単なことではありません。反発もありますし、1社さんと契約させて頂けば、様々なバックアップ含め、有難いサービスも多いんです。だからその甘い誘惑に負けず、自分の決めたことを拘り抜くというのは、実際やってみると楽なことではありません。それでも、大手4社さん取り揃えているからこそ来てくださるお客様も多くいらっしゃいますし、お客様目線で考えた結果、他店ではなかなかない大手4社を揃えるということがお客様にとってプラスであると思い、決めたことです。これも、お店のコンセプトに合った決断だと思っています。

物件選びご苦労されたと伺いましたが、どの様に物件を探されましたか?

クスクスさんとお会いした時は既に物件を探していました。最初は色々な条件を立てていて、幾つもの物件にご同行頂きながら検討したのですが、なかなか決まらなかったんです。なので、3つの条件に絞ることに決めました。一階の路面店であること、駅から徒歩5分以内、家賃の3点に拘ることにしました。

飲食店が潰れるパターンも勉強してみて、大きく二つあることがわかりました。一つは人件費が払えない場合と、もう一つは家賃が払えない場合。自分の場合は一人で回そうと決めていたので、もう一つのリスクである家賃には特に拘りました。

家賃が高いと売上を上げなければならなくなる。売上を上げるためには人を雇わなければならない。となると、どんどん負担が大きくなってしまいます。そうすると、「極上の樽生ビール」を出すというお店のコンセプトに沿わないような、ゆったりできない品質の低いビールをお出しすることになるという可能性もあります。なので、お店のカラーを守るためにも、大きなリスク(固定費)は避けられる物件を選びました。

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お店の立地である宿河原の住宅街という環境に、懸念もあったかと思いますが、実際この場所で運営してみてどうでしょうか?

実際にやってみると、周辺の飲食店の少なさが影響して、需要があるという実感があります。住宅街にある飲み屋さんって、需要に対して足りてないんだな、ということはやってみて特に実感しています。お店作りをフルオープンでご提案頂いて作って頂いたので、店内が見えやすく、近所の方にもバーであると伝わりやすいというのも良かったと思います。

オープンから10日で目標月商達成されたとお伺いしましたが、最初何が良かったと思いますか?

最初の一ヶ月はオープン景気も重なったとは思いますが、「極上の樽生ビール」というコンセプトを動機に来てくださるお客様がとても多かったと思います。コンセプトを明確にしたからこそ、「美味しいビールを飲むぞ」という拘りの強いお客様を引き寄せられたと思います。

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お店の経営も軌道に乗り、従業員さんを雇われる予定だと伺いましたが、どの様に採用されたのですか?

たまたまビアスイッチで働きたいと言ってくれた方がいて、その人の将来性に可能性を感じて採用を決めました。二店舗目も視野に入れているので、その時はその方も交えてクスクスさんとブランディング作業をしたいと思っています。その方の意思もあると思うので、将来的にはやりたいことを応援できる体制を作れればと思っています。売上を取るよりも人材を育成することが一番難しいと思っています。

現在苦戦されていることなどあれば教えてください。

ビール専門店ということで、間口はどうしても狭くなってしまいます。いたずらにメニューを増やしたりする訳ではなくて、上手く告知をしたりして、少しずつ間口を広げていきたいと思っています。お店の雰囲気を保つということも難しいかもしれません。もちろん多くの方にいらして頂きたいのですが、お酒を出す場なので、全てのお客様に良い時間を過ごして頂き、ある程度お店のカラーを保つためにも線引きはとても難しいところです。

これから開業される方に向けてアドバイスなどあれば、是非お願いいたします。

特にオープンしてから感じるのですが、コンセプトを明確に持つことはとても重要だと思います。開業してからだと、「売上を伸ばしたい」だったり、色々な欲が出てしまいます。だからこそ、自分が表現したいこと、コンセプトを掘り下げて、物件探しをしたり店舗作りをして、基礎を作っておくのは非常に大切です。また、デザインだけではなく ブランディングや経営計画など全て一緒に考えて頂ける、デザイン会社さんと出会うことができたのは、本当に運が良かったと感じております。

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