大切なことは、自然と調和するデザインであること

fururi オーナー

太田瑛子

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kusukusu inc. 代表

鈴木 竜

「かっこよすぎないお店を作りたい」と言っていた太田さんの第1号店を手がけさせて頂きました。お客さんが肩の力を抜いて自然体になれる場所を目標に、内外装、ロゴ、HPデザイン、ブランディングを担当させて頂きました。fururiの太田瑛子さんです。

どの様にデザイン・施工会社を探しましたか?

まずは、カフェを新規開店する方々に向けた本を、参考に読んでみました。すると、皆さん直接デザイナーさんを探すというより、好きなカフェを探して、作品からデザイナーさんを見つけているみたいでした。なので、私もデザイナーさんが登録されているサイトを使って、好きな作品をピックアップするところから始めました。

弊社に決めて頂いた理由を教えてください。

デザイナーさんの名前は伏せて、ウェブサイト上で純粋に好みの作品(カフェ)を5件ピックアップしたのですが、そのうちの3件がクスクスさんの作品だったんです!それで、クスクスさんにお願いすることにしました。

なぜクスクスさんの作品に惹かれたのか考えてみたら、すべて照明の使い方がとても魅力的だったんです。

今回は、弊社でお付き合いのある施工会社さんをご紹介させて頂きましたが、どうでしたか?

昨日も、お仕事の合間に一緒にラーメンを食べました。(笑)人として、コミュニケーションを取りやすい方で、言いたいことを何でも言える信頼関係を気づくことができました。ごまかしたりすることなく、同じ目標に向かって頑張れる仲間の様な施工会社さんです。私の友達がお店に遊びに来ると、「友達の施工会社さん?」と間違われるほど仲良くなりました。でも、やることはしっかりやってくれる。とても良い座組で始められて、大変感謝しています。

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太田さんは最初の打ち合わせの段階で物件が決まっていましたが、オープンの希望日はありましたか?

元々春先(半年後くらい)と考えていたのですが、物件との出会いがあり、トントンと進んで行ってしまったので、オープン予定日は3ヶ月後に縮まりました。「物件は出会い」というのか、「計画性がない」というのか…(笑)でも、良い出会いが重なって良かったと思っています。

太田さんの中で、お店のコンセプトや店内イメージはいつ頃から持っていましたか?固まっていった過程を教えてください。

元々プライベートで訪れたカフェや雑誌を見て、好きな場所はあったのですが、具体的な構想が進んで行ったのは、物件が決まってからですね。やっぱり、場所によって雰囲気も違うので、この場所、「祐天寺」でどう表現していきたいのかということを考えました。

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店舗の立地は、駅近で住宅街の中ですが、周辺環境の調査などはされましたか?

物件が決まってから、周辺のお店に行ってみたり、ご近所さんと立ち話したり、時間帯による人の流れを観察したりしました。

立地の特性として、何かご共有頂けるものがあれば教えてください。

お店付近のエリアは意外と年齢層が高く、フレンドリーな方が多いと思います。犬のお散歩ついでに声をかけて下さったり、ローカルの方々が多い印象です。昔ながらの雰囲気と若い方々が新しいことを始める雰囲気も混ざっていて、ハイブリッドな街だと思います。この街の方々に愛されるお店を作っていきたいです。

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今回弊社からは、「循環型の飲食店」というスタイルをご提案させて頂きましたが、率直なご感想を聞かせてください。

【補足:飲食店では毎日膨大な量の廃棄が出ます。お店を作って、ゴミを出して、終わりという仕組みには限界があると考え、店内でなるべく循環させられる仕組みをご提案しました。具体的には、お店にコンポストを設置し、生ごみはコンポストで分解して堆肥にすること、お店で使うハーブを栽培し、その堆肥を使って育てていくことなど、一人で始められることをご提案させて頂きました】

自分の頭にはなかったので、びっくりはしましたね。その時は「パーマカルチャー的な発想」という言葉を聞いて、何か新しいことかと思ったのですが、「循環型の飲食店」って、よくよく噛み砕いてみると私のおばあちゃんの暮らしだな、と思ったんです。「サステナブル」とか「エコ」とかカテゴライズされてしまうと少し抵抗があるのですが、実はごくごく自然な仕組みだと思います。実際に、このご提案から着想を得て、お店の紙コップやナプキンは必要な間引きによる木から作られた紙を使用した物を採用しました。このスタイルを全面に押し出すわけではなくて、ごく自然なことを自然体で取り組んでいきたい、と思えるようなご提案の仕方をして頂きました。

どの様なお店にしていきたいですか?今後の目標があれば、教えてください。

「fururi」のことが好きなファンを作りたいです。すごくたくさんの人に知ってもらいたい、とか、常連さんばっかりにしたいという訳ではなくて、何かあった時に「fururi」を思い出してもらえるような存在になりたいです。そのくらいの気軽な感じでも、頭に浮かぶようなお店になりたい。そのためにまずは、おいしいコーヒーを淹れること、頑張ります!

お引き渡しでひとまず一区切りになります。弊社を選んで頂いて、よかったなぁと思うことが何かあれば教えてください。

これからが楽しみになるものを作って頂けて本当に良かったな、と思っています。「循環型の店舗」というスタイルや、陶器の廃材を使った壁のアートなど、私にはなかったアイディアを頂いて、とても良い土壌を作って頂き、本当に良かったです。

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